キャベツはインコに与えていい野菜?

インコの副食には青菜が定番です。ビタミン補給のために必須の野菜ですが、キャベツはインコに与えても大丈夫なのでしょうか。人にとっては有益な野菜でも、インコにとって有害なものは少なくありません。今回は、キャベツにひそむ危険性について解説します。

  • サムネイル: 羊田ユウジ
  • 更新日:

監修:ますだ動物クリニック 増田国充院長

インコにキャベツを与えても大丈夫?

結論からいうと、インコにキャベツを与えてはいけません。キャベツには結石の原因となる「シュウ酸」や、甲状腺腫誘発物質の「ゴイトロゲン」が含まれているほか、水分含有量が多いため、下痢などの症状を引き起こす可能性があります。

インコのエサはシードやペレットを主食として、副食に青菜やボレー粉を与えます。青菜に含まれるビタミンAには、インコの抵抗力を高める働きがあります。また、ほとんどのインコは青菜が大好きです。

青菜は緑色の葉菜全般を指しますが、青菜の中でもインコにとって有益なものと有害なものがあります。有益なものには小松菜や豆苗、チンゲン菜、水菜などがあります。逆に有害なものにはホウレンソウがあります。また、青菜以外の有害野菜ではネギやタマネギ、ニンニクなどの香味野菜や、ねばねばしたオクラやモロヘイヤがあります。

キャベツも一般的に青菜とは呼ばれない野菜ですが、人間の食卓には日常的に上がる野菜であり、端材も出やすいために、インコに与えたくなる食材です。また、インコにキャベツを与えると、ほとんどのインコはおいしそうに食べてしまいます。しかし、じつはこのキャベツも、インコにとって有害な野菜の一つです。

これらのインコに有害な青菜や野菜には、たいてい苦みやえぐみ、アクの要素となるシュウ酸や、甲状腺腫誘発物質のゴイトロゲンが含まれています。

人間と同様に、インコにとってもシュウ酸の過剰摂取は結石の原因になります。キャベツは苦みを感じさせる野菜とはいえませんが、意外とシュウ酸の含有量は多めです。100gあたりのシュウ酸含有量はホウレンソウが約800mg、キャベツとレタスが約300mg、ナスが約200mgとなっています。ちなみにインコが大好きな小松菜のシュウ酸含有量は、100gあたり50mgしかありません。

また、ゴイトロゲンはアブラナ科の野菜に多く含まれます。キャベツもアブラナ科の野菜のため、ゴイトロゲンを含みます。インコの中でも、とくにセキセイインコは甲状腺腫を発症しやすい小鳥なので、ゴイトロゲンを含む野菜は与えないようにしましょう。

キャベツで栄養素のほかに気をつけなければならないのは、水分含有量の多さです。インコにとって水分が多い野菜の摂取は、カラダを冷やしたり下痢の原因となったりすることがあります。

また、青菜などの副食は、シードやペレットだけでは不足しがちなビタミンの摂取を目的として与えるものですが、キャベツにはインコの体内でビタミンAに変換されるβ-カロテンがあまり含まれません。つまり、キャベツはインコに有益な栄養素があまり含まれず、有害な栄養素や水分ばかりが含まれる野菜なのです。そのため、キャベツはインコに積極的に食べさせるべきではありません。

インコに野菜を与える際の注意点

シュウ酸もゴイトロゲンも、量の差こそあれ、野菜全般に含まれている成分です。この2つの有害物質の摂取をゼロに抑えるのはほぼ不可能であることから、飼い主としてはこれらの有害物質がなるべく少ない食材を選んで与えることが大切です。

なお、シュウ酸は水溶性のため、高温で茹でることで多少は減らすことができます。ただし、茹でる過程でビタミンやミネラルなど、インコにとって有益な栄養素も溶出してしまいます。当然のことですが、インコにはなるべく栄養価の高い副食やおやつを与えたいもの。そう考えると、キャベツを始めとしたシュウ酸含有量の多い野菜を、わざわざ茹でるなどの手間をかけてまで与える必要はないでしょう。

インコに野菜を与えるにあたってなにより大切なのは、与えないほうが無難なもの、また、疑わしいものは与えないことです。キャベツは注意すべき野菜の一つ。飼い主が「少しぐらいなら大丈夫だろう」と軽く考えてしまうのは、カラダの小さなインコにとって非常に危険なことです。日頃から食材の安全性に気を配り、大切なインコの健康を守りましょう。

内容について報告する