金魚の松かさ病 考えられる原因や症状、治療法と予防法

松の木の下には松かさ、松ぼっくりがたくさん落ちています。金魚の病気「松かさ病」は金魚のウロコがこの松かさのようになる病気です。今回は、この松かさ病の予防と治療方法について解説します。

  • サムネイル: 羊田ユウジ
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監修:オールペットクリニック 平林雅和院長

松かさ病の原因

金魚のカラダが膨れ上がり、ウロコが松かさのように逆立つ「松かさ病」。その見た目から、「立鱗病(りつりんびょう)」とも呼ばれています。
松かさ病は、肝臓の機能不全により起こります。

肝臓の機能不全を引き起こす原因には諸説あり、詳しいことは解明されていません。「エロモナス菌」という病原菌の感染が原因とされるものの、この細菌に感染しなくても発病することがあります。また、水質の悪化と関係するとされています。

また、肝臓は水の排出以外にも、血液を作るなど多くの機能を持っているため、貧血や酸欠などの症状もあらわれます。そして体内にたまった水がさらなるダメージを広げ、内臓が修復不可能な状態にまで破壊されることで、金魚は死に至ります。

松かさ病の症状

初期段階では食欲もあり、泳ぎ方も多少鈍くなる程度ですが、病状が進むとあまり動かず、水槽の底でじっとしている時間が多くなります。

ウロコは病状が進行するにつれて大きく開いていきます。口に潰瘍ができたり、ヒレぐされ、尾ぐされなどの症状もみられるようになります。排泄が止まり、便秘で腹が張ってカラダが丸く膨れます。これにより体内で排泄物などの腐敗が進行し、細菌が増殖することで内臓の破壊が起こります。

また、腐敗した排泄物からガスが発生することで、金魚のカラダはよりいっそう膨れ上がり、顔が膨れて眼球も突出します。さらに重症化すると、体表を覆う粘膜が剥離し、内臓の破壊が進行することで起こる平衡失調、エラの機能不全による呼吸困難や低酸素症などの諸症状が起こり、死に至ります。

松かさ病の治療方法

ウロコが松かさのように逆立ち、完全に開いてしまった金魚の感染症は治療できても臓器へのダメージが既にあるため命を救うことは困難です。一方で、開きかけ(ウロコがギザギザに見える状態)の場合は、適切な治療を行うことで完治する可能性が高くなります。そのため、金魚のカラダの異常を早期に発見することがなにより重要です。

回復を目指して行うことは大きく2つです。
・隔離、水質の改善
・肝臓機能の回復

まず、これ以上肝臓に負荷をかけないために松かさ病の症状が出ている金魚を隔離し、綺麗な飼育水に入れます。飼育水の汚染が原因とも考えられているため、綺麗な飼育水は必ず維持しましょう。
次に飼育水の水量に対して0.5%の塩を入れます。金魚の体の塩分濃度は0.5-0.6%に保たれているため、真水の中では浸透圧の関係で金魚の体内に水が入ってきます。
入ってきた水は肝臓を通じて尿となり金魚の体外に排出されます。そこで、飼育水に適切な量の塩を入れることにより体内に水が入ることを防ぎ、金魚の肝臓にかかる負担を和らげることができると考えられています。

また、飼育水の温度を徐々に引き上げ27-29℃を保つようにしましょう。これにより体内にいると考えられる細菌の増殖速度を落とすことができます。急激な温度変化は当然金魚にとって負担がかかってしまうため慎重に行いましょう。

ここまでくると、あとは感染症の治療を行うだけです。感染症の治療には「エルバージュエース」や「グリーンFゴールド」などの細菌性感染症の治療に効果を発揮する薬を用いて薬浴を行いましょう。

松かさ病の予防方法

多くの場合、松かさ病を発症し、ウロコが完全に開いてしまった金魚の治療は困難です。また、進行が速く、とくに夏場などの高温時は初期から末期まで1日で進むこともあります。そのため、松かさ病は「治療で治すものではなく、予防で発症させないようにするもの」であるといわれています。

松かさ病の原因には諸説ありますが、まずは細菌の増殖やストレスにつながる水質の悪化を防ぐことが大切です。普段から水換えと水槽内の掃除を習慣化して、ろ過フィルターもしっかりと掃除しましょう。

エサの食べ残しは水質悪化の原因となるので、毎日の食事量をしっかりと計測し、食べきれる量のエサだけを与えます。また、過密飼育も水質悪化の原因となります。金魚にはストレスとなり、酸素も欠乏しやすくなるので避けましょう。エアレーションや水流が正常に作動しているかどうかもこまめにチェックして、水中にしっかり酸素を届けましょう。

また、飼育している金魚が松かさ病を発症した場合は、松かさ病の蔓延や再発を防ぐために、元の水槽の水はすべて入れ換えて、底砂などは丸洗いします。

ただし、底砂にはアンモニアなどを分解する有益なバクテリアも繁殖してます。このバクテリアを死滅させてしまうと、水槽内の水質が悪化しやすくなってしまうので、汲み置きしてカルキ抜きをした水を事前に用意して使いましょう。

水槽内の環境をきちんと整えていれば、金魚はほとんど病気知らずの健康体を保ちます。日頃から水質やフィルターのチェックなどを欠かさず、金魚が健康に過ごせる環境を保ちましょう。

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