金魚のポップアイ 考えられる原因や症状、治療法と予防法
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金魚のポップアイ 考えられる原因や症状、治療法と予防法

金魚には瞼がないので、目を閉じることがなく、まばたきもしません。人間と比べて目を酷使しているのかな? と思う時もあります。今回は、その金魚の目に起きる異変について解説します。症状を確認したら、早めに治療しましょう。

  • サムネイル: 羊田ユウジ
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監修:ヴァンケット動物病院 松原且季院長

金魚の目が飛び出る病気について

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金魚の病気の予防で大切なのは、水槽内の環境を整えることです。水の入れ換えや水槽の掃除は欠かせません。それでも生き物である以上、病気になってしまうこともあります。病気は、初期段階で治療すれば治る確率が高くなります。金魚の行動や各部位に異常がないか、毎日観察しましょう。

金魚の目にかかわる病気の症状は、目の形状と色に現れます。目が飛び出したようになる、あるいは腫れている。また、目が白く濁っていたり、充血したりしている。この異変が病気のサインです。

金魚の目がまるで出目金のように飛び出して、透明感がなくなり白濁していたら、ポップアイの可能性があります。また、目の中に血がたまって充血し、腫れているような場合は、アノキシア(低酸素症)を疑いましょう。

ポップアイについて

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ポップアイとは、金魚の目が飛び出してしまう症状のことを指します。このポップアイは、水質の悪化、ウイルス・細菌・寄生虫・真菌の感染や腫瘍、気泡病など様々な原因で起こります。原因となる細菌の一種に「エロモナス菌」があります。

エロモナスは淡水や水槽内、または魚体内にも常在しています。常在菌のため、健康な金魚はほとんど発症することはありません。しかし、水質が悪化すると金魚の免疫力が低下し、エロモナスが異常増殖してしまい、ポップアイを発症する危険が高まります。

ポップアイを発症すると、目が異常に飛び出した状態になります。病状が進行するにつれて眼圧が上がり、末期症状になると組織が壊死して、目が取れてしまうこともあります。眼球レンズの透明感もなくなり、白く濁ってしまいます。また、ポップアイのために角膜が一度変形すると、もとの形に戻らない可能性が高くなります。

水質の悪化によるポップアイは、いつもより目が出ている、あるいは眼球が少し白濁しているという状態です。まだ初期症状なので、6~8割の量の水を換えてろ過フィルターを清掃し、水槽内の環境を整えることで回復が見込まれます。

エロモナスが原因の場合は、初期なら0.5%~0.8%塩水浴を施すか、塩水浴と治療薬の「アグテン」、あるいは「グリーンFゴールド顆粒」の薬浴を併用して治療します。0.5%の塩水は金魚の体内塩分濃度とほぼ等しいため、金魚自身の自己治癒能力を高めます。

中期以上の症状なら「観パラD」の薬浴、あるいは「観パラD」薬浴と0.8%塩水浴を併用して治療します。薬剤を溶かし込んだ水で薬浴をする場合、薬浴を3~5日間続けて患部を殺菌し、その後1週間ほどの0.5%塩水浴に切り替えて金魚のストレスを軽減します。ポップアイは、眼圧を下げるために水深の浅い環境下での治療が望ましく、水深は15cm程度にします。

エロモナスはほかの金魚にも感染するので、発症した金魚を見つけたらすぐに薬浴用のほかの水槽に移します。エロモナスは鱗が逆立ってしまう「松かさ病」を併発させることもあるので注意してください。

アノキシア(低酸素症)について

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金魚は水中の酸素をエラから吸収し、呼吸しています。酸素が足りないと、金魚は水面近くで口をパクパクとさせる「鼻上げ」を繰り返し、酸素を取り込もうとします。
酸素がない状態でも、金魚は24~36時間ほど生きられるといわれています。ただし、この無酸素様態を生き延びた金魚には、目が充血して腫れているような症状が現れます。これがアノキシア(低酸素症)です。

酸素が欠乏する原因として、ポンプ水流の不足や水面の流動の不足、エアレーションの不足、急激な水温の上昇などが挙げられます。水質の悪化によって酸素が欠乏し、二酸化炭素が増加して、pHが酸性に傾いている状態です。

目が充血して衰弱している金魚はほかの水槽に移し、塩水浴で体力を回復させてください。もとの水槽は水の入れ換えやろ過フィルターの掃除を行い、水槽内の環境を整えます。エアレーションや水流が正常に稼働していることを確認し、pH 値をpH7.0の中性に戻していきます。

金魚はアンモニアを排泄し、食べ残しのエサの腐敗なども原因となって、水質は日々悪化していきます。酸素の欠乏は金魚の「鼻上げ」が教えてくれます。水のpHにも気を配り、酸素が欠乏することのない環境を保ちましょう。

金魚の目が飛び出る症状は、金魚からの緊急のSOSです。そうなる前に、水槽内の環境の悪化には常に気をつけて、大切な金魚の健康を守りましょう。

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