保護犬と子ども【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #6】

保護犬と子ども【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #6】

毎週更新される『ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと』。フリーライターの稲崎さんが、自身の体験をもとにしながら、いっしょに暮らす保護犬「ウディ」とのさまざまなエピソードを綴っていきます。今回のテーマは「保護犬と子ども」についてです。

  • サムネイル: PECO編集部
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犬を保護しようと思ったワケ【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #1】
保護犬の探し方【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #2】
里親になった日【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #3】
里親になった日にするべきこと【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #4】
保護犬のしつけ【ぼくの人生を変えた保護犬「ウディ」のこと #5】

#6 保護犬と子ども

ウディを保護した翌年、ぼくと妻の間に元気な男の子が誕生しました。

生まれたばかりの赤ちゃんを見ていたいというぼくの強い希望もあり、しばらくの間すべての家事とごはんの準備を担当する条件のもと、妻は里帰り出産することもなく、家の近くの病院で無事に出産を済ませ、5日後には生後5日のわが子を抱えて家に戻ってきました。

赤ちゃんといえば、それはそれは小さないきもの。人間嫌いのウディが噛みつかないか不安でしたが、初めて見る赤ちゃんには無反応のウディ。妊娠中から妻のおなかを枕代わりにしていたウディからすれば、生まれた赤ちゃんとはすでに知り合いだったのか、ときどき赤ちゃんの匂いをクンクンと嗅ぐぐらいで、特に警戒する様子もありませんでした。

赤ちゃんのいる家で、保護犬を飼うことは可能なのか? もしそう聞かれたら、半分はイエスで半分はノーと答えるかもしれません。

子育てを経験した人ならわかると思いますが、生まれたばかりの赤ちゃんを育てながら、保護犬の里親になる人はいないと思います。もしそんな余裕があるなら、少しでもゆっくり眠っていたいもの。犬にとっても、保護されてすぐは心に大きな不安を抱えています。できることなら、子どもの育児で忙しい家よりも、自分にたっぷりの愛情を注いでくれる家で暮らす方がいいのは明らかです。

子どもが生まれると、どんなに注意をしていても犬と接する時間は減ってしまいます。留守番をさせる時間も増え、散歩の時間もついつい短くなってしまいます。こういったことを懸念して、多くの保護団体は若い夫婦やカップルに対して里親審査を厳しく設定しているのです。

ぼくも育児や仕事を優先してしまい、ウディに辛い思いをさせることもあります。
そんなときに強い味方になってくれるのが、実家の存在です。妻の実家は、車で2時間ほどのところにあり、家では同じぐらいの小型犬を飼っているため、気軽にウディを預かってくれます。こういった場所があるかないかでは、精神的にも大きく違ってきます。万が一のときに頼れる場所があるかどうか。犬を保護するときは、そういうところも考えてみてくださいね。

ぼくの息子も2歳を過ぎてからは少しずつ余裕が生まれ、ウディと過ごせる時間も少しずつ増えてきました。

怖がりのウディからすれば、傍若無人な息子をいまだ信用していないのか、いつも一定の距離をとって近づこうとはしません。それでもドッグランに連れていけば、最近は息子といっしょに楽しそうに駆け回って遊ぶようになりました。

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元気に駆け回るウディの姿は、いつもぼくを心の底から元気にしてくれます。ぼくにはウディの過去を何ひとつ知らなければ、どんな心の闇を抱えているかもわかりません。でも、こうして元気いっぱいに走っている姿を見ていると、やっぱり無条件でうれしくなってしまいます。

全国では年間で10万匹の犬猫が殺処分されています。極端な言い方をすれば、ウディもそのうちの1匹になる可能性がありました。いまでは家族同然であるだけに、殺処分というものがどれだけ非情なものかを実感させられます。

全国の保護団体のもとには、いまも寂しい思いをしている犬たちがたくさんいます。1匹でも多くの犬に、早く元気で走り回れる日が来ることを願うばかりです。

文・写真 / 稲崎吾郎

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