猫は引っ越しが苦手? 引っ越し時の注意点と引っ越し後のケア

引っ越しに猫は連れて行けるの? 飛行機に乗せる手続きは? トイレは? 猫に負担がかからないよう、スムーズな引っ越しを心がけましょう。

  • サムネイル: ひなた ふゆみ
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監修:電話どうぶつ病院Anicli(アニクリ)24 三宅亜希院長

犬は人につき、猫は家につく

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「犬は人につき、猫は家につく」ということわざの通り、安全であることがわかっている慣れ親しんだ我が家は猫にとってもっとも安心できる居場所なので、引っ越しは大の苦手。環境の変化は、猫にとって大きなストレスになるのです。

もともと犬と猫の祖先は同じ。紀元前5000~4000年に森林に生息していたミアキスという小動物が、進化の過程で犬と猫に分かれたといわれています。森を出て群れをなし、人里で暮らすように進化したものが犬の祖先となり、森林に残り、さらに森での単独生活に適応するよう進化したものが猫の祖先となりました。

猫が自分の生活範囲、つまり自分のテリトリーでしか行動しないのは、身を守るための習性にほかなりません。

猫にとって引っ越しは、丸腰で敵地に乗り込むようなもの。引っ越しが決まったら、猫のストレスを少しでも軽減できるよう、移動手段、段取り、引っ越し後のケアなど、万全を期して進めることが大切です。

猫との引っ越しに関わる各種手配

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国内か海外か、近距離か遠距離か。転居先によって、準備の内容も変わってきます。土壇場になって慌てないよう、マイカーや新幹線(電車)・バス、飛行機での移動、海外への引っ越しや業者へ依頼した場合など、様々なケースについて紹介します。

マイカーでの移動

猫にとっても飼い主にとっても、マイカーでの移動が一番安心です。マイカーであれば、引っ越しが決まった段階で少しずつ慣らしていくことも可能です。まずは、エンジンのかかっていない車に慣らし、慣れてきたら4~5分のドライブに慣れさせます。そうすることで、車に乗るということへのストレスが軽減されます。移動中、大声で鳴き続ける猫もいますが、こまめに休憩をとるなどしてしのぎましょう。運転中にキャリーバッグを開けてしまうと、猫が飛び出して思わぬ事故につながることもあります。運転中の車内では、キャリーバッグは決して開けないようにしましょう。

新幹線(JR)・電車・バスでの移動

新幹線やJR、電車は、長さ70㎝以内、タテ・ヨコ・高さの合計が90㎝程度、重さ10㎏以内なら手回り品として持ち込むことができます。価格はキャリーバッグ1個につき280円。キャリーバッグのサイズや種類によっては持ち込むことができないものもあるので、事前の確認が必要です。

バスの場合、路線バスではあればキャリーバッグに入れて持ち込みます。ただし、高速バスはほとんどの場合持ち込むことができないので注意してください。

飛行機での移動

国際線の飛行機の場合、航空会社によって条件が異なり、犬猫の持ち込みができないところもあります。輸出手続きと同時に、飛行機の確保も進めておきましょう。

国際線・国内線ともに、犬や猫はケージに入れての持ち込みが条件です。国際線の場合、航空会社によっては客室への持ち込みも可能ですが、国内線は介助犬以外、手荷物および貨物扱いとなります。

海外への引っ越し

猫や犬など、動物を海外へ連れ出すことは「輸出」に当たります。その際、日本の出国条件と相手国の入国条件をクリアしなければなりません。国によっては、予防接種やマイクロチップ装着などを入国の条件として定めているところもあるので、相手国の大使館や動物検疫機関などに問い合わせ、入国条件を確認してください。

たとえば、引っ越し先が狂犬病清浄国だとすると、狂犬病予防接種が必要となり、さらに予防接種後の抗体値測定まで必要になるケースもあります。抗体値が基準をクリアしていない場合は、再度の狂犬病予防接種が行われます。準備から入国まで数ヶ月を要することもあります。海外への引っ越しが決まったら、早めに行動に移した方がいいでしょう。

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業者へ依頼

海外への引っ越しなら輸出代行サービス、国内ならペットの輸送サービスを行っている会社があるので、長距離の引っ越しの場合は利用してみるのもおすすめです。ただし、自分で手配したり、公共交通機関を利用する場合より高くつくことをお忘れなく。

十分なケアで猫のストレスを減らそう

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縄張り意識が強い猫にとって、環境の変化は大敵。引っ越し時に、自分の匂いが染みついた家具が運び出されたり、引っ越し業者が出入りする状況には耐えられません。少しでもその状況から遠ざけるためにも、キャリーバッグに入れて、一時的にお風呂場やクローゼットなどに移動させておきましょう。引っ越しが終わるまで、ペットホテルに預けておくのも一つの方法です。

引っ越しに伴い、家具を買い替えたい気持ちはわかりますが、猫はどんな配置で、どんな家具があったかよく覚えています。猫が新しい家に慣れるまでは、家具は買い替えず、以前と同じ配置になるよう心がけましょう。

多くの猫は、新しい家に慣れるまで、押し入れなどに引きこもってなかなか出てこようとしません。身の危険がないことを確認しながら、少しずつ縄張りを広げていくのが猫の習性です。出てこないからと、無理に引っ張り出すのは逆効果。猫がいる部屋に、以前から使用しているトイレやキャットタワー、お気に入りの毛布やおもちゃなど、猫の匂いが染みついたものを集め、自分から出てくるのをじっくり待ちます。

猫によっては、引っ越しのストレスから下痢をしたり、エサを食べてくれなくなることもあります。そんな時は猫の様子をよく観察して、長引くようであれば動物病院へ連れて行きましょう。事前に引っ越し先の動物病院を調べておくと安心です。

飼い猫の性格、癖や行動パターンをよく知っている飼い主だからこそ、その猫に応じた対処ができるはず。焦ってはいけません。猫が新居に慣れるまで、根気よく待つことが大切です。飼い主自身が新しい環境に馴染み、明るく、元気に毎日を過ごせば、猫にも安心感が伝わり、日常を取り戻すことができるでしょう。

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